自由へのイノベーションに囚われて

イノベーションと生命科学のあいだ

自動運転よりも実装すべきデザイン

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Photo by Alessio Lin on Unsplash

少し前に、警察特捜という番組を偶然みた。ひき逃げ事件の犯人を追い詰める警察に密着していて、その腕はたしかにすごかった。ただ、番組の雰囲気は幼稚で、犯人(悪)が警察(善)によって捕らえられるのを称賛するヒーロー物語だった。

悲惨な交通事故の原因を、加害者にだけ押しつけるのは楽だ。でもそれを続けている限り、交通事故が減ることはない。感情に支配されているうちは何も変えられない。人類は地震やウイルスなど様々な自然災害によって命を奪われてきたが、それらに理性で対処するようになったことで多くの命を守れるようになった。ここでは、交通事故を劇的に減らすためのデザインについて提案する。

ミーハーが世界を変えていく 〜ネットワーク科学からみたミーハー〜

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「ふーてん」のiPadより転載

シリコンバレーは一見のどかな田舎だが、世界を変えるスタートアップを次々と生み出すカンブリア紀の海のような土地だ。なぜシリコンバレーがそのようになったかという考察は多くされている。Stanford大学があるからとか、周りの成功者の率が高いから自分もという錯覚を起こからとか。これらは正しいだろうけど、別にそれだけというわけではない。

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長続きしないのは解像度が低いから

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Photo by freestocks.org on Unsplash

「長く続かない」。これは人生にずっとつきまとう問題だ。周りから価値のある人間として認められたり、恋人との幸せな関係が長く続けばいいのにと願う。そのためには長続きが大切なのはわかっているけど難しい。長続きさせるための秘訣は本もたくさん出ているし、ググってもいくらでも出てくる。だけど、少なくとも1つ語られていないものがある。

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手づくりの本質

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Photo by Erica Leong on Unsplash

18世紀に産業革命が起きてからの人類史は、自動化の歴史と捉えられる。21世紀はソフトウェアが猛威を奮い、Osborne氏の『雇用の未来』によれば多くの知的労働もなくなるとされている。こんな時代の手作りの意味とはなんなのだろう。

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量子的人間 ―個人、分人主義、猫―

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Photo by Lauren Kay on Unsplash

これは分人主義を批判するものでも、先に進めたものでもない。ただ、分人主義をある比喩で捉え直してみたら、よりしっくりきたという自己満足感を書いた娯楽だ。

  • 個人という幻想
  • 分人主義との出会い
  • 量子的人間
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専門化は脆さを高める

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前回、安定したシステムに必要な多様性について書いたところ、想像を超える反響をいただけた。そこで今回は個人の職業のレベルに視点を変えて、「専門化は脆さを高める」ということについて書いてみた。

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多様性のあるシステムは脆い

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 ISILにシャルリー・エブドBrexitにTrump政権、#MeToo。21世紀のテーマは多様性なのだろう。国家や企業、学校といった様々なレベルで多様性は喧伝されている。その裏には様々な思想があるわけだけど、その1つに多様で複雑なシステムは安定していて持続可能(sustainable)だというアイデアがある。

でも実はその認識は粗く、真逆の結論をもたらすことになる。今回は、本当に安定なシステムと多様性の関係について、生態学の研究でわかってきていることを紹介する。 続きを読む